これがたぶん本当の最後です、たぶん。
たぶん最終回となる今回は、前編(F30dMのレビュー@デザイン・使い勝手編)の続きとなるわけですが。
走ってみた感じのレビューやら総括やら、適当に書いてみようと思います。
【直進安定性】
これは残念ながら、アウディA4アバント2.0TQに軍配が上がります。あの直進安定性って、やはりドイツ車の中でも秀逸だったんだな~って、改めて思わされますね。
やや前寄りの重量配分とクワトロというAWDシステムがそうさせているのでしょう、きっと。
どんなに急加速しようと急減速しようと、ちょっと言えないくらいの速度であろうと、直進していてふらつくことはなかったのがA4アバント2.0TQでした。
これはまあ、ハンドリングマシーンであることとのトレードオフでしょうから、仕方ないのですが。
考えようによっては、クルマの挙動が手に取るようにわかるということで、それがドライバーにダイレクトに伝わり安全につながっているとも言えそうです。
【コーナリング】
これはもう、抜群に楽しくって素晴らしいです。FRのセダンにしてよかったなって思います。
低速域でも高速域でも、ハンドルを切ったなりの手応えがしっかりあります。
2~3°レベルで舵角を合わせてくれる、そんな感じですかね。
そして、コーナリング時に関しては、A4アバント2.0TQよりも断然安定性があります。
「アウディの時よりもカーブが安心していられるね。」
これ、A4アバントよりも速めの速度でコーナーに進入した際、私より先に妻が放った言葉です。
やはり前後重量配分50:50が効いているのか何なのか分かりませんが、助手席の車に詳しくない人間がそう感じるってよほどの差なんじゃないでしょうか。
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A4アバントの時はいちいち横に流れるというか、助手席なんかに置いた荷物がコーナーの外側に動いていたものですが、F30dMにしてからはその回数は著しく減りました。
そんなわけで、ワインディングなんかはめちゃくちゃ楽しめるわけですが。
それ以外の、例えば街中のコーナーやカーブなんかでもそれを感じることができたり。
駆け抜ける歓びはフィールドを選ばないな~と感じる今日この頃です。
【加速・トルク】
A4アバント2.0TQもベースモデルにしてはなかなかのトルクマシーンでしたが、こちらはクリーンディーゼルですからモア・トルク・マシーン。かなりドッカンと行きます。
ですが、次項でも書いている8ATのしつけがいいのか50:50の重量配分なのか、A4のようなノーズが浮くような唐突感のあるドッカン加速ではなく、まっすぐ前にドンッ!と進むような加速感ですね。
これ、結構病みつきになる加速感です。
【8ATとドライブモード】
なかなかいいと思います。思ったよりもダイレクト感があったりエンジンブレーキが効いたりしますが、さすがトルコンだけあって低速域でも至ってスムーズ。
ドライブモードによる変化も、この8ATが一番感じられます。
私は、通勤はECO PRO、家族を乗せてのんびり走るときはCOMFORT、ちょっと元気に走りたいときはSPORTって感じで使い分けているのですが、シフトアップタイミングがかなり異なり、ここが一番ドライブモードでの制御の違いになっているように思います。
アクセル開度やハンドルの重さなんかもきっと変わっているんでしょうけど、8ATの変化っぷりのおかげで様々な楽しみ方ができるようになっていますね。
【運転しやすさ】
取り回しも見切りも、比較的いい方かと思います。まだ慣れていない・・・というか、前車A4アバントの感覚が染みついてしまっているため車庫入れ等ちょっとへたくそですが。
それでも、運転時の視界はA4アバントよりも広く感じて運転しやすいなって思います。
なお、ヘッドライトの光量もA4アバントよりあるように感じますね。
横方向にもそこそこ光が広がり、雨の日でも以前より見やすいな~と思います。
A4アバントでは雨の夜はほぼほぼフォグライトをつけていたんですが、F30dMになってからフォグライトまでなくても大丈夫なくらいヘッドライトの視認性がよくなりました。
【燃費・エンジンオイル】
個人的なDセグ燃費最優秀賞が、320dセダンなんですが。噂に違わぬ、素晴らしき燃費性能。
そして、軽油ならではの給油時のお財布安心感w
突発的な買換えで家計がやや苦しくなる中、この燃料代の浮きっぷりは大変助かります。
また、前車A4アバントと比べてエンジンオイルの減りが無いに等しいくらいなのも嬉しいですね。
おかげで遠出の際に1L缶を積む必要がなくなったり、毎日のようにオイルレベルゲージをチェックする必要がなくなり、余計なストレスから解放されました。
【総括(総評)】
私がクルマに対して求めるものを大きなカテゴリで分けると「乗り物」「道具」「機械」の3つになりますが、今回は特にそのバランスを重視して選んでみました。「乗り物」については走行性能や安全性もさることながら、感性に響く操舵感や胸のすくような加速感、デザインなんかも含まれます。
「道具」としては、通勤からファミリーカーまで幅広く使えることが主だったもので、快適性や積載性なんかもこれに含まれます。
「機械」としては、メンテナンス性や機械的な信頼性(故障が少ない等)がこれに当たりますが、燃費性能の高さ(あくまで実燃費)も機械的な作り込みの良さが具現化したものと考え、このカテゴリに当てはまります。
この点、F30dMは非常にバランスの良い車に思えます。
BMWの3シリーズが、プレミアムDセグメントのベンチマークたる理由が分かった気がします。
派手に走らせようと思えばそれに応えてくれますが、のんびり走りたければその意思を汲んでくれる。
そんな風に相反する面をもちながらも、ドライバーを主としてその相棒としての存在感がしっかりある。
ドライバーが社長だとしたら、F30dMはきちんと仕えながらも敏腕っぷりを発揮する優秀な専務って感じですかね。
そんな感じの良さがあります。
なお、F30dMについては、見た目も含めてどこも弄る必要がないように思います。
A4アバントの時は色々とこざかしいことをやっていましたが、今回はそういう気さえ起きませんね。
乗る前は K&Nエアフィルター やら CPMロアレインフォースメント やら レースチップ やらって考えていましたが、いざ乗ってみたらあまりにも純正のバランスが素晴らしくて、何もしない方がいいと思えてきました。
純正のバランスがF30dMにとっての最適解であるのに、それを改悪する必要はないなと。
これ、先述の通りデザイン面でも同じですね。
なので、インテリアのデザインの邪魔になるようなレーダー探知機やドライブレコーダーさえ、付けるのをやめました。
そもそもA4アバントに付けていたけど役に立ったことはありませんでしたし、最近わりかし大人しめに走るようになってきましたし(笑)
なにより、このシンプルかつミニマムながらも洗練された機能美を有するインテリアを、そんな野暮ったいもので邪魔するのはもったいないですからね。
なにより、このシンプルかつミニマムながらも洗練された機能美を有するインテリアを、そんな野暮ったいもので邪魔するのはもったいないですからね。
・・・
というわけで。
これにて乗り換え実録シリーズ閉幕!
あまりいらっしゃらないかも知れませんが、もしこのシリーズを最初から最後までじっくりお読みいただいた方がおられましたら、心の中で感謝状を大量印刷しておきますm(_ _)m
んでは!