2015-01-03

クワトロの仕組みと種類、そしてe-クワトロ。

前回の続きっちゃあ続きな記事です。タイトルの通りですが、現在のクワトロが3種類あるってのと、今後出てくるe-クワトロの考察。



まず、今あるものから。


一番スタンダードなのは縦置きエンジンに採用されている、センターデフがトルセン式のものです。
縦置きモデルなんで、A4~A8系、Q5系、Q7がそれですね。


で、その仕組みはこんな感じ。


こちらのデフォのトルク配分は40:60になります。
現在のものは、「セルフロッキング・センターデファレンシャル(トルセンCタイプ)※」とか呼ばれております。
なお、B7なA4までの時代のもの(~2008年頃の縦置きモデル)は、同じトルセン式ながら少し構造が違うようで(トルセンA※)、デフォのトルク配分は50:50だったようです。

※追記@2016/01/22
 トルセンC・・・トルク配分非対称型セルフロッキング・センターデファレンシャル
 トルセンA・・・トルク配分対称型セルフロッキング・センターデファレンシャル


方式は違いますが、BMWのxdriveも40:60、メルセデスの4MATICは45:55のトルク配分です。(いずれも現行のエンジン縦置きモデル)
なお、アウディのこのクワトロがメカ仕掛け(パッシブ式)なのに対し、BMW xDriveとメルセデス 4MATICは電子制御で多板クラッチを用いてトルク配分を行っている(アクティブスプリット)とのことです。
また、FRベースとFFベースの違いもあり、FRベース(BMW xDrive、メルセデス 4MATIC)はトランスファーが必要でレイアウトに工夫が必要(場合によってはハンドル位置に制約を受ける)なのに対し、FFベースのクワトロはそのような工夫や制約がないのが特徴です。



次に多いのが、横置きエンジン用のハルデックス・カップリング。
A3系、Q3系、TT、たぶんですがS1も。

これはハルデックス社製の多板クラッチ式カップリングを使うもので、基本100:0(ないしそれに限りなく近い95:5等)のようですが、状況に応じて後輪に瞬時にトルク配分がなされる為にフルタイム4WD扱いされているものです。


なお、アウディのクワトロの場合は、ハルデックス社の部品を使っているものの、そのアルゴリズムは独自のものに書き換えられているので、しっかりと「クワトロ」と呼べるなんだとか。
VWの4MOTIONもハルデックス・カップリングですが、アウディは独自のアルゴリズムに書き換えることによって差別化を図っているのでしょう。

《2015.1.5追記》
本国で出たNew RS-3 Sportback、こちらはリアへのトルク配分を50-100%としているようです。
本国WEBサイトでは専用のソフトウェアを使っているような記述ですが、もしかしたら何か他に仕掛けがあるのかもしれません。
情報が入って私が理解できたら(笑)、記事にします。



最後に、R8だけは特殊な構造で、ランボルギーニ(確かガヤルド)と共通のビスカス・カップリング式なんです。
ビスカスの特性を使い、前後輪のタイヤ幅を変えることによってトラクションに変化を与え、フルタイム4WDを実現しているという仕組み。
このビスカス式、デフォは15:85のトルク配分ですが、応答性はトルセン式にかなわないようです。
まあ、前回の動画が何よりもそれを物語っていますが。。


さらに、今後はもう1種類増えると思われるのですが、それは「e-クワトロ」。
フロントをエンジン+モーターを動力源にドライブシャフトで動かし、リアは独立したモーターのみで動かす・・・はず。
てなわけで、プロペラシャフトは無しなわけで。

ちなみにフロントの仕組みは、たぶんですがA3 e-tronと同じかと。
エンジンとSトロニックの間にディスク上に配備されてクラッチで繋がることから、こちらは「e-Sトロニック」と呼ばれているようです。


さらにさらにで、前後独立モーターのみのe-クワトロも出そうな感じが。
こちらはLAオートーショーで出されたA7SB h-tron quattro、プラグインFCVですね。

前後ともモーターのため、トランスミッション(Sトロニックやティプトロニック)がないのが印象的。

2018年頃めがけて航続500kmのピュアEVも出すとかいう噂もあるので、e-クワトロも2種類くらいになる可能性がありますね~。
なんといってもAudi AG、向こう5年間で3兆円を超える規模の投資をするとの話もありますから。。



そうそう「クワトロ」と言えば、いつぞやのインポーター、こんなギャグかましてくれてましたね。。

/(´дゝ`)


んでは!





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