2018年6月23日土曜日

FLで排気量が1.5LになったC200に見る今後のトレンド ~ダウンサイジングエンジン+モーター@48Vマイルドハイブリッドのさらなる加速~

フェイスリフトによる様々なアップデートが公表された、メルセデスベンツCクラス(W205)。

その中でも特筆すべきは、ガソリンモデルのC200グレードに48Vマイルドハイブリッドが搭載されたことでしょう。
しかもこれ、エンジンの排気量は1.5Lにダウンサイジングされており、1.6Lのエンジンを積むC180より排気量が少なくなっているんです。

当然ながらC200の方がスペックが上なんですが、環境性能でもC200の方が上なんですよね。
これまでのセオリーからすると、逆転現象とも言えるこの事象。
おそらく、今後のトレンドとなることでしょう。

というわけで、ちょっと考察してみようと思います。



ひとまず、C180とC200のスペックでも見てみましょうか。

【セダン】
C180
  • エンジン・・・ガソリン直列4気筒  1595cc  115 kW/156 hp, 250 Nm
  • 環境性能・・・複合燃費 6.5-6.2l /100km, CO2排出量 149-141g/km
C200
  • エンジン・・・ガソリン直列4気筒  1497cc  135 kW/184 hp, 280 Nm
  • 電気モーター・・・10kW, 160 Nm
  • 環境性能・・・複合燃費 6.3-6.0l /100km, CO2排出量 144-136g/km
C200 4MATIC
  • エンジン・・・ガソリン直列4気筒  1497cc  135 kW/184 hp, 280 Nm
  • 電気モーター・・・10kW, 160 Nm
  • 環境性能・・・複合燃費 6.9-6.5l /100km, CO2排出量 156-148g/km

【ワゴン】
C180
  • エンジン・・・ガソリン直列4気筒  1595cc  115 kW/156 hp, 250 Nm
  • 環境性能・・・複合燃費 6.8-6.5l /100km, CO2排出量 155-148g/km
C200
  • エンジン・・・ガソリン直列4気筒  1497cc  135 kW/184 hp, 280 Nm
  • 電気モーター・・・10kW, 160 Nm
  • 環境性能・・・複合燃費 6.6-6.2l /100km, CO2排出量 151-142g/km
C200 4MATIC
  • エンジン・・・ガソリン直列4気筒  1497cc  135 kW/184 hp, 280 Nm
  • 電気モーター・・・10kW, 160 Nm
  • 環境性能・・・複合燃費 7.1-6.7l /100km, CO2排出量 162-153g/km

ご覧の通り、C180よりもC200の方が排気量が少なく、エンジン単体でのスペックが上回る上にモーターもアドオンされています。
そして上述の通り、C200の方が環境性能も上になっていますが、これまでのセオリーからすればスペックと環境性能はトレードオフの関係にあったのが、まさかの逆転現象なわけで。

さすがにC200 4MATICの方においては、C180の環境性能を超えることは敵いませんでしたが、その差は微々たるもの。
4MATICの利便性や安全性から考えれば、この程度の差は儲けものと言ってもいいくらいの僅少さでしょう。
さらに言えば、前輪に駆動力を与えるために設けられるトランスファーケースがあってスペースが割かれるFRベースの4MATICであっても、48Vマイルドハイブリッドが積めることがこれで証明されたともいえるわけで。


ところで、ちょっと前にSクラスに搭載されたばかりの最新技術である48VマイルドハイブリッドをCクラス、しかも売れ筋グレードに設定してきた理由は何でしょうか。

実はこれ、2021年に急激に厳しくなる「欧州CO2エミッション規制」を見据えてのことに違いないと読んでいます。
というのも、この「欧州CO2エミッション規制」の目標値は、企業(メーカーではなく大本の企業…ダイムラーとかPSAとかJRLとか)ごとに域内において販売される全モデルの平均CO2排出量から定められますが、それが達せられない場合には、その程度に応じて巨額(100万ユーロ単位=億円単位)の制裁金が課せられます。
この算式は車両の重量や年間生産計画などから定められるようで詳細は私も完全に理解できていませんが、至極簡単に解釈すると、よく売れるモデルほどCO2排出量を低くしておくことで目標の達成が容易になるものです。(逆もまた然りで、よく売れるモデルのCO2排出量が高いと全体の足を引っ張りやすくなるとも言えます。)

そんな背景もあって、売れ筋グレードであるC200に48Vマイルドハイブリッドを設定してきたのでしょう。

そこに来て、CO2排出量削減の本命であったディーゼルは、逆風吹き荒れるこの状況。
言うまでもなく、ディーゼルは燃費性能が良くてそれゆえCO2排出量も少なくなるわけですが、その目論見はやや外れつつあるように思われます。
となると、ガソリンエンジンの売れ筋グレードで何とかしなければ、ということになるはず。

ちなみにこの欧州CO2エミッション規制ですが、目標値(=EU域内で販売される全メーカー・全モデルの加重平均値)は95g/kmとあります。
これ、ガソリンエンジンの燃費に換算すると3.6~3.7l /100km(27~28km/L)となるわけです。
さらにちなみにダイムラーの目標値は100.7g/km、ついでにBMWは100.3g/kmとなっているようですが、これ、燃費に換算すると3.8~3.9l /100km(26km/L前後)となります。

こうやって見ると、本当に厳し過ぎるくらい厳しい目標値なんですよね。

今回、C200の環境性能が上がったとは言え、そのCO2排出量は未だ144-136g/kmです。
燃費で言えば、6.3-6.0l /100km(16km/L程度)にしか過ぎないわけですが、これを先述の目標値までに引き上げるのって、本当に容易じゃないですね。
しかもそれが、3年後に控えているわけですから。

そんなこんな諸々考えると、やっぱりこれからの欧州車の方向性は間違いなく『ダウンサイジングエンジン+モーター@48Vマイルドハイブリッド』ってことになるでしょうね。

で、おそらくですがこの手の技術は日進月歩になること請け合いと思われ。
とすると、モーター性能やエンジンアシストの効率が上がってくると思われ。
そうなるのならば、エンジンはますます小さくなるものと思われ。

そんなわけで2021年に向けての個人的な予想としては、Dセグメント以下は3気筒1000cc未満のガソリンエンジン+48Vマイルドハイブリッドという組み合わせがスタンダードになるような気がしています。
Cセグメント以下は同じエンジンをデチューンすることで、開発費を抑えつつ環境性能を向上させることもできますし。
また、Eセグメントでも積まれるガソリンエンジンは3~4気筒1500ccとかが普通になり、Lセグメントや大型SUVでも4気筒2000ccが標準的になるかもしれません。


といったところで、環境性能に的を絞って書いてしまいましたが。
結局のところ、マイルドハイブリッドがどのような乗り味を提供してくれるかということの方が、興味があるわけで。

そういった意味で、Sクラスのように田舎では試乗が叶わないようなモデルではなく、C200という売れ筋グレードに標準装備してくれたダイムラーは本当に素晴らしいの一言です。
ぜひ試乗したいですし、あわよくば・・・と妄想しつつw

その上陸を待とうと思います。


んでは!





5 件のコメント :

  1. こんにちは。
    先日、XC60の記事にコメントをした者です。

    メルセデスの48VマイルドHVがCクラスに搭載されたと聞きビックリしました。
    とうとう、ど本命に来ましたね。
    1500cc+ISG=C200(据え置き)ですか!
    これは興味深いですね。

    ところで、直6+ ISGのS450ですが、2ヶ月前に大阪梅田のメルセデスミーにて試乗しました。
    S450のエンジンフィールは不思議な体験でした。アイドル時、エンジンが回ってるか動いてるか、止まったのか回り出したのか全く感じ取れませんでした。滑らかな、を通り越して存在を感じさせない(本当にエンジン載ってたのか??)なフィーリングでした。発進も加速も雲の上をマジックカーペットで進んでいるような…とにかく一切の車に対する気遣いを丁重にお断りされているような。
    普段F31という対極に位置する車に乗っているので、正直欲しいとは思いませんでしたが(それ以前に買えませんが汗)、私には未体験ゾーンな世界でしたね。

    東京大阪にあるメルセデスミー、販社抜きの純粋なブランド発信スペースなので、遠慮無く何でも乗れちゃいます。機会があれば是非!

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    1. こんにちは。
      いつもコメントありがとうございます。

      貴重なISGモデル試乗体験記もありがとうございます。
      お話を聞いた限りでの想像(妄想)になりますが、やはりメルセデスのSクラスに相応しい演出がそれなんでしょうね。そこはある面トレードオフというか、運転の楽しさよりも乗員の快適性を優先しているというか。どこかで誰かが述べられていましたが、メルセデスは点から点を快適に移動する乗り物、BMWは運転したくなるマシーン、といったある面で真逆の位置付けがまさにdai@F31さんが体験なさったことそのものなのでしょう。

      メルセデスミーですが、以前、出張ついでに東京の方に行った事があります。その頃はまだメルコネでしたけど、仰るとおり変な駆け引きを意識しなくてとても居心地がよかったですね。
      ですが、ここ最近東京出張がなくて行けてません。。BMWベイもしかり。。
      ・・・って、出張ついでを狙うなよ!ってお叱りを受けそうですが(笑)

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  2. 2010年のAudiQ5に乗っています。
    色々とトラブルが有り、ネットで情報を探していたら、貴兄のブログにたどり着きました。

    そのトラブルとはDSGギア不具合とオイル過剰消費です。

    どうやらどちらも品質問題になっているらしく、ドイツ本国や中国などでは無償修理に対象になっているようです。問題が深刻化して2年ほどになりますが、その間、ディーラーやAudi Japanと色々やり取りをしましたが、埒があきません。

    Audi Japanは、品質問題を認めてリコールにならないよう、なんとかうやむやに解決したいという姿勢が見え見えです。アメリカの様に、日本でも集団訴訟ができればいいですね。

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    1. コメントありがとうございます。

      Sトロニックとオイルの過剰消費は、その時代のアウディの代名詞といっても過言ではないくらい頻発するトラブルですよね。
      私も、毎週のようにオイルを継ぎ足していたのが懐かしくさえ思えますが、あの時を思い出すと今でもうんざりした気分になります。

      仰るとおり、海外では補償や対応がなされていますが、それとてマーケットの大きさを見ての対応と言わざるを得ないでしょう。本場ヨーロッパでさえ、メディアの指摘を長きにわたって受け続け、ようやく動いたくらいですから。
      →https://b8a4avtof30320dmspo.blogspot.com/2017/06/ag-auto-bild.html(コピペでアドレスバーに貼り付けてご覧ください。)

      私もAJと直接やりとりしましたが、これまた仰るとおり見え見えの逃げ切り作戦でした。さらに国交省にも直接問い合わせたものの、単に品質上の問題であって保安規定に抵触するそれではないためリコール命令は出せないとのことでした。そのまたさらにで、本国AudiAGにもクレームを入れてみたもののまったく相手にされず。
      アウディに失望して騙し騙し乗っていたのですが、オイル過剰消費に起因したミスファイアで降りることを決断しました。
      →https://b8a4avtof30320dmspo.blogspot.jp/2016/10/a4.html(同上)

      よろしければ、上記リンク以外にも色々まとめてありますので、ご覧ください。
      →https://b8a4avtof30320dmspo.blogspot.com/search/label/%E3%82%AA%E3%82%A4%E3%83%AB%E6%B8%9B%E3%82%8A(同上)
      →https://b8a4avtof30320dmspo.blogspot.com/p/a4b8f30dm.html(同上)

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    2. 情報ありがとうございます!

      ギアボックス不良では、妻が運転中に、横断歩道の歩行者をあやうく轢きそうになって、あわてて修理。40万円!

      オイル消費では、横浜から千葉のゴルフ場を往復するだけで、オイルランプが点灯するようになり、やむなく修理。30万円!

      涙、涙です。これ以外では自分のAudi Q5、嫌いじゃないと言うか、好きなんです。(笑

      それにしても、私が弁護士ならまちがいなく製造物責任法を理由に訴えますね。日本の消費者はおとなしすぎるのか舐められていますよね。販売台数自体も少ないので、メーカーも個別対応でごまかせると判断したんでしょうね。おそれいりました。

      燃料ポンプやエアバックはリコールしているのに、全く持って理不尽ですよね。そんな消費者を救う為にある国交省の相談窓口。私も一度連絡しましたが、暖簾に腕押し。全くのお役所仕事で頼りになりません。本当に情けないですね。

      私の愚痴をきいていただき本当にありがとうございます!

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