2015-07-26

車は現金購入派って本当に節約できているのか?実態に近い形で検証してみる。

よくある、車にローンなどありえない・もったいない・お金を捨てているもんだ、という辛らつなご意見。
本当にそうでしょうか?
ここでは、おそらく実態的に多い(※)であろう「住宅ローンを抱えつつも、生活必需品的要素(@特に地方)もある自動車を購入する場合」と仮定して、検証してみたいと思います。
※私の主観です。データは面倒くさくて探してません。



まず仮定として、
  • 住宅ローンの残り期間が30年(360ヶ月)で、残債(残りの元金)が2,000万円
  • 住宅ローンの金利は年1.500%、元利均等ボーナス払いなし
  • 住宅ローンの繰上げ返済後は、残期間はそのままで毎月の支払額が減額になる
  • 自動車は諸経費込みの乗り出し価格が300万円
  • 自動車ローンの期間は5年(60ヶ月)、金利は年2.500%、元利均等ボーナス払いなし
  • 預貯金は500万円
とします。


おそらく、自動車ローン反対派の方からすると、預貯金を使ってキャッシュで一括購入する方を選択されるのではないでしょうか。

しかし、私ならまず住宅ローンを繰上げ返済し、自動車はローンで購入しますね。
だって、利息支払額で見れば、そうしたほうが確実にお得だから。

確かに金利を見れば自動車ローンの方が高いんですが、ローンって金利以外に期間の長さと元金の大きさが利息支払額を左右する要素なんですよね。
どういうことか、場合分けして見てみましょう。


(1)住宅ローンはそのまま、自動車はキャッシュで購入
  • 住宅ローン・・・元金2000万円、月々69,024円、総支払額24,848,640円、利息総額4,848,640円
  • 自動車ローン・・・なし
  • 合計・・・月々69,024円、利息総額4,848,640円

(2)住宅ローンを150万円繰上げ返済し、自動車は頭金150万円+残り150万円をローン
  • 住宅ローン・・・元金1850万円、月々63,847円、総支払額22,984,920円、利息総額4,484,920円
  • 自動車ローン・・・元金150万円、月々26,621円、総支払額1,597,260円、利息総額97,260円
  • 合計・・・月々90,468円、利息総額4,582,180円

(3)住宅ローンを300万円繰上げ返済し、自動車は300万円フルローン
  • 住宅ローン・・・元金1700万円、月々58,670円、総支払額21,121,200円、利息総額4,121,200円
  • 自動車ローン・・・元金300万円、月々53,242円、総支払額3,194,520円、利息総額194,520円
  • 合計・・・月々111,912円、利息総額4,315,720円

利息総額で見れば、一目瞭然ですよね。
私流な(3)は、(2)と比べて266,460円、(1)と比べて532,920円、節約できるわけですから。
月々のやりくりさえ許せば、住宅ローンの繰上げ返済にキャッシュを使った方が有意義なんですよね。

さらに言えば、住宅ローンの繰上げも月々の返済額をそのままで期間を短縮した方が、利息総額は少なくて済みます。
もちろん、これも月々のやりくりにもよるんですが。

いずれにせよ、5年間の自動車ローンの期間は頑張ってそれを返し、完済したら同額を定期預金なり個人年金なりに回せば、財務面でも良好なわけで。
それを原資に、住宅ローンをまた繰上げ返済してもよいですし。

ただまあ、弱点も若干ありまして、自動車ローンの方が住宅ローンよりも信用枠を削りやすいのが難点ですね。
とは言っても、これ以上お金を借りたりカードを作る必要がない場合には、心配することではないのですが。


なぜかWEB上ではキャッシュ信望者が多いのですが、私から見るとそれは金融の仕組みをよく理解していないだけのように思います。

すべてキャッシュで何でも買っている人はさすがにすごいなと思うのですが、住宅ってなかなかそうはいかないと思うんですよね。
いずれ子どもが大きくなって余裕が多少でき、預貯金が出来たときにどう行動するかで、本当に節約するための知識があるかないか、分かるわけで。

預貯金を、住宅ローン繰上げ返済による利益(=利息節約額)分だけ運用しようとしても、なかなかうまくいきませんよね。
なので、住宅ローンがある方はそれを繰り上げた方が、下手な運用よりよほど高利回りなわけです。


また、キャッシュ信望者の中(特に女性に多いように思える)には「夫がもしもいなくなったら」とありますが、これまた社会保障制度や保険の知識が乏しいとしか思えません。
もしも旦那さんが亡くなったら遺族年金がありますし、それに備えて生命保険をかけるなり住宅ローンに団信や疾病補償を付けていたほうが、よほど賢いかと。

ちなみにこの辺は、夫が亡くなった場合には有利なんですが、奥様が先立たれた場合、かなり厳しいものになります。

特に公的制度である遺族年金は、男女によってかなり差があるので注意が必要です。
一例を挙げると、奥様に先立たれた場合、遺族基礎年金はそこそこ出るケースがあるもののその額は僅少ですし、遺族厚生年金に至っては夫がその時点で55歳未満の場合は支給されないようですし。


とまあ、最後はいつもの如く脱線しましたが(笑)
ローンを組む際見るべきものは、金利だけでなく期間と元金も総合的に見てシミュレーションしなきゃダメだよってお話でした。

んでは!





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